タイプライターやコンピューター等の作業による肩こりや首の痛みで、椎間板ヘルニアや頚椎症などの原因が明確でないものを総称して頸肩腕症候群と呼びます。

コンピューター作業による首の痛みにはいわゆるストレートネックがかかわることが多いです。
人間の背骨はもともと前後の彎曲を持っており、頸椎には前方に凸の彎曲(前弯)があります(下左図)。
ところがVDT画面に集中するあまり頭が前方に移動すると、頸椎は前弯を失ってまっすぐになったり、後方に凸の彎曲を有するようになります(下右図)。
この状態がストレートネックで、首の後ろの筋肉が緊張して肩こりや痛みの原因になります。

ただし、もともとストレートネックの首の形をした人が正常人の20~35%に存在するとも報告されていますので、ストレートネックがすべて悪いわけではなく、「頚椎の前方凸の弯曲を持つ人が、頭を突き出す姿勢を続けた結果ストレートネックとなった場合に首の痛みを起こす」ということです。