パソコンのキーボード操作は、手のひらを下に向けて両手の指でひとつひとつのキーボードを叩いてゆく点で、さらにブラインド・タッチでは各指が独立してキーを打つ、親指や小指を広げて打つことなどで、ピアノを弾く動作と似ています。
ピアニストの手の痛みには腱鞘炎が多いですが、パソコンのキーボード操作での手の痛みも、大部分は腱鞘炎です。
腱鞘は腱が浮かび上がるのを防ぐ作用があり(右図)、腱鞘内で腱と腱鞘が擦れあって痛みを起こすのが腱鞘炎です。腱鞘炎の原因は腱鞘が狭くなるとともに、腱が腫れて太くなることがわかっています。腱鞘炎の手術は腱鞘を切り開くだけですが、これでは腱鞘の存在が無意味になってしまうため、リハビリや外用薬・内服薬・注射等、手術をしない治療が望ましいところです。
最近はスマートフォンのフリック動作で親指の腱鞘炎を起こす人が増えており、スマホ腱鞘炎などと呼ばれています。詳細はこちらへ
